小型モーターの状態監視と予知保全
課題: コンベアモーターのパフォーマンス低下を異常発生前にキャッチする
ある飲料メーカーでは、工場内のさまざまな場所で時折前触れなく発生するコンベアモーターの異常により、生産ロスが発生していました。そこで工場の経営陣は、ある生産ラインを対象に、モーターのパフォーマンス低下を把握し、予期せぬ生産停止の引き金となる異常を減らすための検証を行うことにしました。
解決策: Snap Signalによる状態監視
ある生産ラインで予知保全のテストを行うため、経営陣はバナーのDXMR90 コントローラ、Vibe-IQ振動解析スクリプト、4台のQM30VT2 振動温度センサからなる監視システムを導入することに決定しました。これには、ラインにある4つのコンベアモーターそれぞれに備えられるセンサも含まれています。Vibe-IQは、徐々に低下するモーターパフォーマンスを検知し、異常が発生する前に問題をキャッチします。モーターの温度上昇や、ベアリングの摩耗、モーターマウントの緩み、ベルトのスリップなどによる異常な振動をキャッチすることができます。監視システムを導入して数週間後、1台のモーターの過剰な熱と振動を検知するようになり、そのデータはバナーのCloud Data Services(CDS)を通じてモーターの状態を示すダッシュボードに表示されるようになりました。計画停止中にメンテナンスグループがモーターを点検したところ、ベアリングが過剰に磨耗していることが判明しました。この停止中に新しいモーターを設置できたため、再稼働の予定時刻には、ラインの機能を確保することができました。この試験の後、工場マネージャーはさらに2つのラインに監視システムを導入し、その後3か月に渡って残り3つのラインにも導入する計画を立てました。
主なメリット
小規模で始めて、迅速に拡大可能
DXMR90とVibe-IQ振動解析スクリプトは、IIoTソリューションの工場への導入を簡素化・効率化します。コスト効率が高く、設置も簡単で、24時間基準の一環としてすぐにデータ収集を開始し、その後、ダッシュボードにモーターの状態が示されるようになります(クラウドデータサービス経由)。バナーの状態監視システムには、最も一般的なアプリケーションに対応するセンサが含まれています。システムを設置し、データを収集した後は、センサを直接追加するだけでソリューションを簡単に拡張することができます。追加のリモート装置からワイヤレス通信用のR70SR9MQシリアルデータ無線機を追加することも可能です。
エンドツーエンドの包括的なIIoTソリューションを提供
Vibe-IQ搭載DXMR90は、特許取得済みの機械学習アルゴリズムにより、接続されたすべてのセンサを初期状態のままですぐにベースライン化することが可能です。モーターごとのアラートや警告の値と制御の限界はシステムによって設定されるため、ユーザーの操作を最小限に抑えられるようになっています。バナーのクラウドデータサービス(CDS)プラットフォームは、ネットワーク上の各装置のデータを簡単に可視化して分析できる強力なツールを提供し、導入したその日からクラウドへの直接接続を実現します。このシステムにより、施設は数時間ではなく数分で立ち上げ、貴重なデータを収集することができます。
アップタイムの最大化と効率の向上
予知保全のための状態監視は、バナーのSnap Signal製品ポートフォリオの主要な機能です。CDSプラットフォームでは、有線センサとワイヤレスセンサが収集した重要なデータの表示、保存、保護、エクスポートを実現します。装置から対応可能なデータが得られるため、トレンドの特定、メンテナンス要件の予測、費用のかかる設備の異常の回避、予定外のダウンタイムの防止を簡単に実現することができます。
データに基づく意思決定を改善
クラウドデータサービスプラットフォームは、単なるダッシュボードではありません。 ソフトウェアに備わった分析と可視化ツールによって、対応可能な洞察を得られるため、施設内の重要な課題を解決することができます。機械学習はDXMコントローラの構成ファイルに存在し、CDSと統合してアセットの状態を表示するダッシュボードを生成します。さらに、データを保存し、経時的な傾向を分析する機能は、ユーザーが長期的により優れたデータ駆動型の意思決定を行うのに役立ちます。