車両のドアパネルの接着面の検出
課題
車両ドアの組み立て工程では、強力な接着剤が外側パネルの外周部に沿って塗布されます。その後、外側パネルと内側パネルは産業用プレス機で一体化されます。接着剤の塗布量が不十分な箇所があると、パネルは正しく一体化されません。逆に過剰に塗布された箇所では、継ぎ目から接着剤が漏れ出し、除去作業の必要が生じたり、周辺部品との接触を起こしたりします。
解決策
VEシリーズスマートカメラは、ビードツールを使用して各ドアパネルの接着剤の存在と均一性を検査します。カメラに搭載された広角2メガピクセルの撮像素子は、塗布された接着剤のわずかな不均一性も検出する能力を持っています。
バナーのビジョンマネージャーソフトウェアを使用することにより、設定と管理が簡素化されます。この無償の画像処理ソフトウェアには強力な検査ツールが搭載されており、検査データへのリアルタイムのアクセスが可能で、検査領域の画像表示を確認しながら直感的なユーザーインターフェイスで操作できます。また、ソフトウェアエミュレータにより、検査内容をオフラインで設定し、動作検証を行うことが可能です。
塗布状態の検査は、グラフィカルユーザーインターフェイスで検査画像を表示し、不具合の診断を行います。検査基準を満足している塗布面は、緑で表示されます。一方、接着剤が過剰な部分は青で、不足している部分は赤で表示されます。センサが動作中でも、ランタイム編集機能により検査内容を変更することが可能です。ダウンタイムと検査の中断・再開に伴う労力が削減されます。
既存の工場設備との統合を容易にするため、カメラはEthernet/IP、Modbus/TCP、およびPROFINETなどの産業用プロトコルをサポートしています。また、カメラは頑丈な金属製ハウジングで保護されています。厳しい環境でより一層の保護を必要とする場合は、オプションでホウケイ酸ガラス製ウインドウを持つレンズカバーを併用することが可能です。