超音波センサ初級編:よくある質問とその回答

レベル検出に使用される超音波センサ

画像:レベル検出に使用される超音波センサ

概要:超音波センサは電気的エネルギーを使用し、セラミック製のトランスデューサが機械的エネルギーを音波という形態で送受信します。音波は、本質的には固体、液体、気体を通して伝播する圧力波で、距離を測定したりターゲットの存在の有無を検出するために産業用途に使用されます。このQ&Aでは、超音波センサについての一般的な質問に対する回答の中でその理論と用語を説明します。 

質問:超音波センサとは何ですか?

超音波センサは、人間には聞こえない20,000 Hzを超える音波を使用して、センサから指定されたターゲット対象物までの距離を測定して計算する産業用制御装置です。 

質問:超音波センサはどのような仕組みになっているのですか?

超音波センサにはセラミック製のトランスデューサがあり、これは電気的エネルギーが印加されると振動するようになっています。この振動によって、ターゲット対象物に向けられたセンサから発せられた音波の空気分子が圧縮および膨張します。トランスデューサは音波の送信および受信の両方を行います。超音波センサは音波を送信した後、ターゲットではねかえってきた音波のエコーを一定の時間のあいだ受信することで距離を検出します。  

質問:超音波センサはいつ使用しますか?

超音波センサでは光ではなく音によって検出を行うため、光電センサを使用できないような用途に向いています。透明体の検出や液体レベル測定など、半透明のターゲットに弱い光電センサには向かない用途において、超音波センサは最適なソリューションであると言えます。超音波センサはターゲットの色や反射性に影響されず、反射性の高い環境でも高い信頼性を発揮します。

質問:光学センサではなく超音波センサを使用するのはどんなときですか?

透明体や液体レベル、反射性の高い表面や金属の表面の検知用途において、超音波センサはメリットがあります。また、透過ビームが水滴で屈折するような湿潤環境でも超音波センサを使用できます。しかし、超音波センサは温度の変動や風の影響を受けやすい性質があります。また、光学センサでは小さいスポットサイズや高速応答に対応していることがあり、センサの光軸調整に役立つ可視スポットをターゲットに投射できるものもあります。 

質問:超音波センサではノイズや干渉にどのように対処するのですか?

超音波センサで受信される周波数の音響ノイズであれば、センサの出力と干渉する可能性があります。例えば、口笛やリリーフバルブのシューという音、圧縮空気、空気圧式の装置などから発せられる高周波数のノイズがあげられます。また、同じ周波数の超音波センサを2個近い場所に設置すると、音響的クロストークが生じることもあります。ただし、電気的ノイズなどの別の種類のノイズは超音波センサに限られたものではありません。

質問:超音波センサはどのような環境条件の影響を受けますか?

温度の変動によって超音波センサの音波の速度が変わります。温度が上がると、音波がターゲットへ/から伝播される速度が速くなります。そして、ターゲットは移動していないのに、ターゲットが近づいたようにセンサで認識されます。 空気圧式の設備またはファンによる空気の流れによっても超音波の経路がそれたり妨害されます。それによってセンサでターゲットの位置を正しく認識できなくなることがあります。

質問:超音波センサを使用前に暖機運転する必要があるのはなぜですか?

超音波センサは暖機運転をするまで設定したり運転してはいけません。センサを始動すると個々のコンポーネントが暖まり、周囲の空間とコンポーネントも暖まります。冷間始動から動作温度へのこのような温度の変動は「ウォームアップドリフト」と呼ばれます。すべてのコンポーネントが適切な動作温度に安定するまでは、測定精度が影響を受けることがあります。  

質問:デッドゾーンとは何ですか?

デッドゾーン、不感帯とはセンサが高い信頼性で測定できない場所のことで、トランスデューサ正面のすぐ前の辺りを指します。これはリンギングと呼ばれる現象によるものです。リンギングとは、励起パルスの後にトランスデューサが連続的に振動して起こります。トランスデューサで反射エコーを受信する前にエネルギーは分散しなければなりません。ターゲットは必ず超音波センサのデッドゾーンに入らないように配置してください。 

質問:超音波センサは光電センサより遅いのですか?

はい。音の速度は光の速度より格段に遅いため、超音波センサは本来、光学センサより速度が遅くなります。

質問:超音波センサを使用するときに避けるべきターゲットとしてはどのようなものがありますか?

超音波センサに使用するのに最適なターゲットは、金属、セラミック、ガラス、木材などの大きく平坦で硬質の表面を持つ材料です。そして、ターゲットは必ずセンサに垂直になるように配置します。ペレットやおがくず、泡のような柔らかくでこぼこした表面のターゲットは避けてください。

質問:ランダムに配置された対象物を超音波センサで検出する最良の方法は?

センサで「背景」を良好な状態としてティーチしてみてください。超音波で反射性のある背景表面を良好な状態としてティーチすることで、センサと背景の間にあるすべての対象物が検出され、出力が切り替わります。

詳細について

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この記事で取り上げられた製品

T30UXシリーズ 温度補正超音波センサ
T30UXシリーズ 温度補正超音波センサ

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S18Uシリーズ バレル超音波センサ
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