照明ソリューションが製薬産業でのリーン生産方式に役立つ4つの方法

文:Mark Lampert、2017年2月20日

キッティング作業の効率と精度を高めるピッキングセンサ

画像: キッティング作業の効率と精度を高めるピッキングセンサ

概要:リーン生産方式では、工場内での時間やリソースの無駄を減らそうとする取り組みが行われます。この記事では、適切な産業照明が製薬産業で製品品質を確保しFDA規制への準拠を維持しながら効率の向上と材料の無駄の削減に役立ついくつかの方法について説明します。 

背景と原動力となる要因

製薬産業での大きなトレンドのひとつであるリーン生産方式は、無駄を減らして付加価値活動に力を注ぐために、時間とリソースをできる限り効率良く使用しようとするものです。 しかし、製薬工場では時間やリソースの無駄が多くの場所で見られます。 例えば、効果的でない間違い検査や品質検査は結果として製品の汚染や回収につながり、材料と製造時間の両方が無駄になります。 また、メッセージのやり取りを円滑化するソリューションが確立されていない場合、工場全体のコミュニケーションにも相当な時間とリソースが費やされます。  

照明ソリューションがどのようにリーン生産方式のプロセスに役立つのか

無駄を減らすための長期的なソリューションによって短期間で効率が向上するだけでなく、これまでの非効率なやり方を見直し、データドリブンな調整による継続的な改善にも役立ちます。 以下では、製薬分野でよく見られる時間とリソースの無駄の要因に注目して、照明ソリューションが効率の向上にどのように役立つのかを4つの例を挙げて説明します。

1. 検査用照明で材料と生産時間の無駄を軽減

信頼性の高い医薬品を製造するには包括的な検査が必要です。 製品の汚染や回収を防ぐためには、検査の段階であらゆる大きさの粒状物質や異物を見つけ出すことが極めて重要になります。この工程では多くの場合、人による外観目視点検が行われます。これは、自動化された検査システムでは必ずしもうまくいかないためです。 しかし、手動検査にも間違いはつきものです。特に照明の状態が視覚による確認作業に最適でない場合は間違いが起こりやすくなります。  

混入する粒状物質は極めて小さいことが多く、検査ステーションに明るく均一な照明を設けて製品品質を効果的に確認できるようにしておくことが重要になります。(例えばIVバッグやガラス瓶に汚染がないかを確認するときなど)。 蛍光灯では輝度が変化してチカチカする傾向があり、検査精度が低下するおそれがある上に、交換も頻繁にしなければなりません。その点、明るく均一なLEDライトでは微小な粒状物質も確実かつ効果的に見つけることができ、品質管理が向上して時間や材料を無駄にするリスクも軽減します。 

詳細については、 LEDライトが液体薬品の品質管理の向上にどのように役立つのかを紹介した最近のサクセスストーリーをご覧ください。

検査用照明によって製薬産業での品質管理を向上

画像:IVバッグの異物混入検査

2. ピッキングセンサで組み立て作業でのミスを軽減

組み立てプロセスも照明を使用することで円滑化することができます。 例えば、キッティング用途ではすべてのパーツを正しく各キットに揃えることが重要になりますが、覚えなければならないパーツの数が多い場合やオペレータが気をそらすとミスが起こりやすくなります。 ミスが起きる (パーツが抜ける/重複する) リスクを軽減するには、正しい組み立てシーケンスをプログラミングしたプロセスコントローラにピッキングライトセンサを接続して、作業員に正しいパーツを正しい順序で知らせることができます。

作業員がパーツを取るたびにビームが遮断され、パーツが取り出されたことをセンサが検出して、コントローラに出力信号が送信されます。そうするとコントローラは正しいパーツが取られているかを確認し、次の順番のパーツ容器のピッキングセンサに点灯するように指示します。作業員が間違った順序で容器に手を入れたときに、ピッキングが不適切であったことを作業員に知らせるようにシステムを設定することもできます。

ピッキングシステムを使用することで作業トレーニングが簡単になり、品質管理が向上 (パーツ抜けなし) して、やり直しや検査の必要性が低下します。また、休憩などの中断後の作業再開が早まります。

3. 表示灯でビジュアルファクトリー内のコミュニケーションを円滑化

製薬工場全体でコミュニケーションを行うことも時間の無駄につながることがあります。そのようなとき、ビジュアルファクトリーではシームレスなコミュニケーションが可能です。例えば、クリーンルームの現在の温度や湿度など、環境状態に関する情報を表示灯で知らせることができます。 その場合、正常な制限範囲内である場合は緑色、しきい値に近い場合は黄色、制限範囲外の場合は赤色というように表示できます。そうしておけば、作業員はどのクリーンルームに注意が必要であるのかがすぐに分かります。

同じように、機械に介入が必要なときを視覚的に知らせるために使用することもできます。 例えば、機械に何らかの作業 (ラベルの補充など) が必要なときにライトで知らせるように設定できます。表示灯を使用することで問題が生じたときのコミュニケーションが容易になり、問題にすばやく対処して通常運転を再開することができます。 

クリーンルームの状態を示す表示灯がリーン生産方式に役立つ

画像:クリーンルームの状態を示す表示灯

4. ワイヤレス接続ライトで総合設備効率 (OEE) を可能に

製薬工場全体で効率よくプロセスを進めるには、機械オペレータが機械の状態を迅速かつ容易に把握できるようにする必要があります。ワイヤレス通信に対応したタワーライトは何らかのイベントを視覚的に知らせて迅速な対処を促すだけでなく、ライトが見えないところにいるオペレータにワイヤレスアラートを送信する機能も持っています。 そのため、機械オペレータが視覚的な表示に気づく場所にいるかどうかに関係なく、運転上の問題の発生をすぐに認識して対処することができます。 

さらに、ワイヤレス送信された機械データを保存しておいて長期的なデータロギングや分析に役立てることができます。これはIIoTの重要な機能のひとつでもあります。 そのため、オペレータがアラートに対してできる限り迅速に対処できるだけでなく、アラートの履歴を保存してオフラインで分析することでOEE (総合設備効率) の計算にも使用できます。このデータは予知保全にも役立つため、コストと時間をさらに節約できます。 

筆者について

Mark Lampert 氏。バナーエンジニアリング社の製薬産業シニア事業開発マネージャー。 1996年からオートメーション産業に従事し、1999年にバナーに入社。 ミネソタ大学機械工学科で理系学士号、ミネソタ大学カールソン経営大学院でMBAを取得。

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